視線が絡んで、熱になる【完結】
周りはお洒落に敏感で、ゆるふわな髪を靡かせ、流行りの服を着て、綺麗にメイクをして煌びやかな世界の中にいるのに自分だけは何一つ変わっていなかった。ただ、琴葉にとってそれらは別にどうでもよくて、大学は専門性の高い知識を得る場所だと認識していたから周りから噂されようが気にも留めていなかった。
しかし、琴葉に彼氏ができたのだ。
『付き合ってくれない?』
たったその一言だった。
しかし琴葉にとってその言葉は生涯渡り言われることはないであろう言葉だった。
同じ学部のテニスサークルに所属する笑顔の素敵な学生だった。名前は風野春樹。名前まで爽やかで驚いた。
どうして自分を知っているのだろう?と思ったが、『デートしよう』とか、『俺の家に来る?』とか、次々に発せられる未知の言葉に琴葉はただただ夢心地だった。
初体験も彼だった。好きな人との行為はとても幸せだった。
そのうち、琴葉にはある感情が芽生えた。自分の地味加減に春樹は嫌にならないだろうか、と。
そう悩んでいるときに出会ったのが理道の化粧品だった。
一本3500円の口紅を手に取ってレジで会計をしてもらったあの感覚は今でも覚えている。
真っ赤ではないが、赤色にベージュを混ぜたような絶妙な色で広告の通り、琴葉自身を魅了する。
それを機に、他にも化粧品を購入して髪型も変えて、服装も変えるようになった。
だが、付き合って一か月と少しが経った、夏休みのこと。
普段以上に化粧をして彼と会った。可愛いと言ってもらいたくて、綺麗だと言ってもらいたくてすべては彼のためだった。
しかし、琴葉に彼氏ができたのだ。
『付き合ってくれない?』
たったその一言だった。
しかし琴葉にとってその言葉は生涯渡り言われることはないであろう言葉だった。
同じ学部のテニスサークルに所属する笑顔の素敵な学生だった。名前は風野春樹。名前まで爽やかで驚いた。
どうして自分を知っているのだろう?と思ったが、『デートしよう』とか、『俺の家に来る?』とか、次々に発せられる未知の言葉に琴葉はただただ夢心地だった。
初体験も彼だった。好きな人との行為はとても幸せだった。
そのうち、琴葉にはある感情が芽生えた。自分の地味加減に春樹は嫌にならないだろうか、と。
そう悩んでいるときに出会ったのが理道の化粧品だった。
一本3500円の口紅を手に取ってレジで会計をしてもらったあの感覚は今でも覚えている。
真っ赤ではないが、赤色にベージュを混ぜたような絶妙な色で広告の通り、琴葉自身を魅了する。
それを機に、他にも化粧品を購入して髪型も変えて、服装も変えるようになった。
だが、付き合って一か月と少しが経った、夏休みのこと。
普段以上に化粧をして彼と会った。可愛いと言ってもらいたくて、綺麗だと言ってもらいたくてすべては彼のためだった。