視線が絡んで、熱になる【完結】
シャワーを浴びている最中、先ほど柊に抱きしめられた感覚や香りを忘れるように何度も体を流した。しかし、それでも先ほどの感覚を洗い流すことはできなかった。
あの熱い視線に男らしい指、そして声。どれも琴葉の思考回路を停止させるには十分だった。シャワーを終えて、気づいたことがあった。
それは、今日購入した下着類も一緒に洗濯をしているから洗濯機の乾燥が終わるまでブラもパンツも着ないで過ごさなければいけないということだ。
乾燥が終えるまでここで待機しようかとも思ったが、そうなると柊がシャワーを浴びることが出来ない。
やはり腕時計だけ返してもらってさっさと帰宅すればよかったのだ。
琴葉は後悔のため息を吐いた。しかし、柊と接すれば接するほど自身の感情が大きく揺れ動いていることもまた、事実だった。
あの手に、指に触れられると全身の感覚が研ぎ澄まされそれは彼の息がかかるだけでも敏感に反応する。
そのような感覚は初めてだった。
…いや、違う。あれは…―。
「おい、まだか」
「あ、もう上がりました!」
「だったらさっさと髪乾かしてこっちにこい。夕飯食べてないだろ」
「わかりました」
職場では上司だからこそ、急に声を掛けられると無意識に部下としての反応が出てしまう。急いで髪を乾かして、ゆっくりとそこを出る。
「洗濯はまだか」
「もう少しです…あの、バスローブ的なのはありませんか」
「あるが、大きいと思う」
「結構です。それ貸していただけると…」
「わかった」
胸元を手で不自然に隠して柊がバスローブを取りにいっている間も気が気ではなかった。下はどうにでもなるが、問題は上だった。Tシャツ一枚はさすがにノーブラだとわかってしまうだろう。付き合ってもいない男性の前でノーブラだとわかるような恰好をすることは流石にできない。
借りたバスローブも男性用で琴葉にとっては非常に大きいサイズだがTシャツよりはマシだと思い我慢した。
あの熱い視線に男らしい指、そして声。どれも琴葉の思考回路を停止させるには十分だった。シャワーを終えて、気づいたことがあった。
それは、今日購入した下着類も一緒に洗濯をしているから洗濯機の乾燥が終わるまでブラもパンツも着ないで過ごさなければいけないということだ。
乾燥が終えるまでここで待機しようかとも思ったが、そうなると柊がシャワーを浴びることが出来ない。
やはり腕時計だけ返してもらってさっさと帰宅すればよかったのだ。
琴葉は後悔のため息を吐いた。しかし、柊と接すれば接するほど自身の感情が大きく揺れ動いていることもまた、事実だった。
あの手に、指に触れられると全身の感覚が研ぎ澄まされそれは彼の息がかかるだけでも敏感に反応する。
そのような感覚は初めてだった。
…いや、違う。あれは…―。
「おい、まだか」
「あ、もう上がりました!」
「だったらさっさと髪乾かしてこっちにこい。夕飯食べてないだろ」
「わかりました」
職場では上司だからこそ、急に声を掛けられると無意識に部下としての反応が出てしまう。急いで髪を乾かして、ゆっくりとそこを出る。
「洗濯はまだか」
「もう少しです…あの、バスローブ的なのはありませんか」
「あるが、大きいと思う」
「結構です。それ貸していただけると…」
「わかった」
胸元を手で不自然に隠して柊がバスローブを取りにいっている間も気が気ではなかった。下はどうにでもなるが、問題は上だった。Tシャツ一枚はさすがにノーブラだとわかってしまうだろう。付き合ってもいない男性の前でノーブラだとわかるような恰好をすることは流石にできない。
借りたバスローブも男性用で琴葉にとっては非常に大きいサイズだがTシャツよりはマシだと思い我慢した。