視線が絡んで、熱になる【完結】
男性に慣れていないからこんなにも動揺しているのだと必死に言い聞かせる。しかしひとたび彼に触れられるとそれだけで脳内が麻痺してしまう。
「お前が欲しがるまではしないよ」
「…欲しがる?」
「そうだよ、無理やりする趣味はないから」
「欲しがるわけないじゃないですか…私たちただの上司と部下の関係です」
「さっきも言ったが、今はプライベートだ」
「…」
「なんだよ。そんなに欲しそうな目で見るな」
「見てませんっ…!」
「俺なら後悔はさせない。俺だったらもっといい女にしてやるのに」
柊の手が琴葉にずっと密着している。その部分に全神経が集中していた。
確かに、先ほどの鏡越しに見た自分は“女性らしさ”に溢れる妖艶な顔をしていた。
化粧をしているせいかと思ったが一人だったらあの表情にはならない。
柊が触れると、確かに琴葉は妖艶に、艶やかに変化できた。
彼の手ならば…―。
「私、…変われるかな」
独り言のように呟くが瞬時に柊が頷く。
「当たり前だ、既にお前は変わってきているじゃないか」
「…どの辺が…ですか?」
「全部だよ。学生時代よりもずっと綺麗だ」
広告代理店の営業にずっと携わっているような人だから彼の言葉はお世辞のようなものかもしれない。
それでも、琴葉は彼の言葉で凍り付いた心が溶けていくのを感じた。
「お前が欲しがるまではしないよ」
「…欲しがる?」
「そうだよ、無理やりする趣味はないから」
「欲しがるわけないじゃないですか…私たちただの上司と部下の関係です」
「さっきも言ったが、今はプライベートだ」
「…」
「なんだよ。そんなに欲しそうな目で見るな」
「見てませんっ…!」
「俺なら後悔はさせない。俺だったらもっといい女にしてやるのに」
柊の手が琴葉にずっと密着している。その部分に全神経が集中していた。
確かに、先ほどの鏡越しに見た自分は“女性らしさ”に溢れる妖艶な顔をしていた。
化粧をしているせいかと思ったが一人だったらあの表情にはならない。
柊が触れると、確かに琴葉は妖艶に、艶やかに変化できた。
彼の手ならば…―。
「私、…変われるかな」
独り言のように呟くが瞬時に柊が頷く。
「当たり前だ、既にお前は変わってきているじゃないか」
「…どの辺が…ですか?」
「全部だよ。学生時代よりもずっと綺麗だ」
広告代理店の営業にずっと携わっているような人だから彼の言葉はお世辞のようなものかもしれない。
それでも、琴葉は彼の言葉で凍り付いた心が溶けていくのを感じた。