視線が絡んで、熱になる【完結】
♢♢♢
入社して三年、毎日同じビルに出社している。
それなのに今日は、初めて辺りを気にしながらビルに入る。柊のマンションから出てきたところを誰かに見られていないか、気になっていた。
不倫をしているわけでもないし、社内恋愛が禁止の会社でもない。隠すことなどないのだが、“付き合ってもいない”男女が一晩過ごすことに罪悪感のようなものがあった。柊は何とも思っていないようだった。
(大人の関係ってこういうことなのかな…)
恋愛経験がほぼない琴葉にとって急に訪れた仕事以外の悩みに頭を抱えた。
営業部のフロアに入る前に女子トイレに入った。
大したセットをしているわけでもない髪をチェックしていると、女子トイレのドアが開いた。
顔を向けて瞬間的に挨拶をすると、入ってきたのは智恵だった。
「あら、おはよう」
「智恵さん、おはようございます!」
彼女も琴葉と同じように化粧直しをするようで三つある鏡のうちの一つに向き合うと肩にかけていたA4サイズのブランドのロゴが入った鞄からワックスのようなものを取り出して髪を整えていた。
隣に立つ智恵は、琴葉よりも10センチほど背が高く、それなのに琴葉よりも胸が大きくてスタイル抜群の絶世の美女を体現したような彼女にドキドキしていた。
入社して三年、毎日同じビルに出社している。
それなのに今日は、初めて辺りを気にしながらビルに入る。柊のマンションから出てきたところを誰かに見られていないか、気になっていた。
不倫をしているわけでもないし、社内恋愛が禁止の会社でもない。隠すことなどないのだが、“付き合ってもいない”男女が一晩過ごすことに罪悪感のようなものがあった。柊は何とも思っていないようだった。
(大人の関係ってこういうことなのかな…)
恋愛経験がほぼない琴葉にとって急に訪れた仕事以外の悩みに頭を抱えた。
営業部のフロアに入る前に女子トイレに入った。
大したセットをしているわけでもない髪をチェックしていると、女子トイレのドアが開いた。
顔を向けて瞬間的に挨拶をすると、入ってきたのは智恵だった。
「あら、おはよう」
「智恵さん、おはようございます!」
彼女も琴葉と同じように化粧直しをするようで三つある鏡のうちの一つに向き合うと肩にかけていたA4サイズのブランドのロゴが入った鞄からワックスのようなものを取り出して髪を整えていた。
隣に立つ智恵は、琴葉よりも10センチほど背が高く、それなのに琴葉よりも胸が大きくてスタイル抜群の絶世の美女を体現したような彼女にドキドキしていた。