視線が絡んで、熱になる【完結】
「っ…」
「あー…、なるほど」
「涼さん!」
顔に熱が集中するのを感じながら急いで眼鏡を彼から奪った。
(何をするんだ、この人は…)
柊といい、涼といい、読めない行動に琴葉はプチパニックに陥る。しかも“なるほど”って何だろう。
目が小さいね、とかそういうことだろうか。

「いて…っ」
「何してんだ。もう仕事開始の時間だ」

突然、涼の頭をバインダーで軽く叩いたのは柊だった。いつの間にか涼と琴葉の間に立っている。

「すみません~だって琴葉ちゃんの眼鏡取ったところ見たかったんで」
「業務中だ。仕事をしろ」
「はいはーい」

軽い返事をする涼の隣で苦笑いをする琴葉にギロリ、鋭い視線を向け去っていく柊は怒っているように感じた。
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