エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「真佳奈、先ほどのことを説明してくれるかね?」
「お父さん、お客様はそんな話聞きたくないと思うわ」
「真佳奈さん、領事は聞かなければ食事も喉を通らなそうですよ。私にかまわずに話をしてください」
さっきと言葉遣いが違うんですけど……。
「月城くん、申し訳ないね。食事を続けてほしい」
「はい。問題は早く解決した方がいいでしょう」
彼はそう言って、丸パンを手にしてちぎり口へ運ぶ。
私たちの話を傍観する態度だ。
「あの人はアフマド・ワキール・ハーキム氏といって、二カ月ほど前からプロポーズされているの」
「お付き合いをしていたのかね?」
「ううん。友人のパーティーで初めて会ったんだけど、ひと言ふた言話をしただけよ。それなのに突然、仕事中に現れて誘われたの。二日に一回のペースで。ずっと断り続けているわ。でも仕事帰りに待ち伏せをするようになって」
サナーとカマラがサラダを私たちの前に置き、ドレッシングも三種類並べる。
食事の進み具合でお料理を出すようにと伝えてあるので、彼女たちは黙々と給仕をしているが、月城さんから目を離せない様子だ。
「真佳奈も食事をしながら話しなさい。二カ月も前からか。ストーカーのような存在なのかね?」
父の問いかけに私はコクッとうなずく。
「あの人はふたりも奥さんがいて」
「そんな男が……。なぜ話してくれなかったんだ?」
「お父さん、お客様はそんな話聞きたくないと思うわ」
「真佳奈さん、領事は聞かなければ食事も喉を通らなそうですよ。私にかまわずに話をしてください」
さっきと言葉遣いが違うんですけど……。
「月城くん、申し訳ないね。食事を続けてほしい」
「はい。問題は早く解決した方がいいでしょう」
彼はそう言って、丸パンを手にしてちぎり口へ運ぶ。
私たちの話を傍観する態度だ。
「あの人はアフマド・ワキール・ハーキム氏といって、二カ月ほど前からプロポーズされているの」
「お付き合いをしていたのかね?」
「ううん。友人のパーティーで初めて会ったんだけど、ひと言ふた言話をしただけよ。それなのに突然、仕事中に現れて誘われたの。二日に一回のペースで。ずっと断り続けているわ。でも仕事帰りに待ち伏せをするようになって」
サナーとカマラがサラダを私たちの前に置き、ドレッシングも三種類並べる。
食事の進み具合でお料理を出すようにと伝えてあるので、彼女たちは黙々と給仕をしているが、月城さんから目を離せない様子だ。
「真佳奈も食事をしながら話しなさい。二カ月も前からか。ストーカーのような存在なのかね?」
父の問いかけに私はコクッとうなずく。
「あの人はふたりも奥さんがいて」
「そんな男が……。なぜ話してくれなかったんだ?」