エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「……わかりました。気をつけます」
ハーキム氏があきらめたとわかるまで、今までと同じく疲弊しそうだ。
更衣室で制服に着替えていると、ミランダがやって来た。
「ハーイ。マカナ、車が見あたらなかったからまだ来ていないと思ったわ」
「送ってもらったの」
あと十分でスタンバイしなければならなく、今はそれだけを言ってロッカーを閉める。
「先に行ってるわ」
「OK!」
ミランダはロッカーからひょっこり顔を出してにっこり笑った。
フロントへ歩を進める私はいつもよりも辺りを気にしている。
『お前は気づかなかったかもしれないが、盗聴器まで仕掛けるようなやつは常に誰かに見張らせているはずだ』
月城さんの低音がまだ耳に残っている。
そんなことを言われても、ロビーなんて常時人が行き交っているんだからわからないわよね……。
フロントに立った瞬間から、お客様が次から次へとやって来る。
昨日から日本人の団体客の宿泊があり、プールの際のタオルの説明やレストランの予約、オプショナルツアーに参加したいとなれば扱っている会社を勧めたりと、対応に追われる。
合間に今夜のレストランを探し、オーシャンズに予約を入れた。
就業時間が残り五分ほどのとき、パソコンに打ち込んでいた私の目の前に人が立つ。
顔を上げた先に月城さんが立っていた。
「あ……」
ハーキム氏があきらめたとわかるまで、今までと同じく疲弊しそうだ。
更衣室で制服に着替えていると、ミランダがやって来た。
「ハーイ。マカナ、車が見あたらなかったからまだ来ていないと思ったわ」
「送ってもらったの」
あと十分でスタンバイしなければならなく、今はそれだけを言ってロッカーを閉める。
「先に行ってるわ」
「OK!」
ミランダはロッカーからひょっこり顔を出してにっこり笑った。
フロントへ歩を進める私はいつもよりも辺りを気にしている。
『お前は気づかなかったかもしれないが、盗聴器まで仕掛けるようなやつは常に誰かに見張らせているはずだ』
月城さんの低音がまだ耳に残っている。
そんなことを言われても、ロビーなんて常時人が行き交っているんだからわからないわよね……。
フロントに立った瞬間から、お客様が次から次へとやって来る。
昨日から日本人の団体客の宿泊があり、プールの際のタオルの説明やレストランの予約、オプショナルツアーに参加したいとなれば扱っている会社を勧めたりと、対応に追われる。
合間に今夜のレストランを探し、オーシャンズに予約を入れた。
就業時間が残り五分ほどのとき、パソコンに打ち込んでいた私の目の前に人が立つ。
顔を上げた先に月城さんが立っていた。
「あ……」