エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「さてと、私はもう寝ますね。お皿はキッチンの流しにお願いします」
いつまでもここにいて待っていると思われたくなくて、ソファからすっくと立ち上がる。
「ああ。おやすみ」
月城さんはあっさり挨拶をして、ついたままだったテレビのリモコンを手に取り、チャンネルを変えた。
翌日、月城さんと父は総理来訪で最後の会談の職務があるため、朝早く出かけていった。総理は昼前に次の訪問先インドへ飛ぶ予定らしい。
私は久しぶりに自分の運転で職場へ向かう。
ひとりで出かけるのはほぼ一週間ぶりで、ハーキム氏が頭から離れず不安と心配が絶えない。
そのせいか運転も注意力散漫になって、赤信号で停止していたが青信号になったのにも気づかず、後続車から派手にクラクションを鳴らされてしまった。
「はぁ~」
職場の駐車場に車を止めたとき、ようやく到着した感が否めずため息が漏れる。
その日の業務終了が近づき、カウンターの中から辺りへ視線を巡らせる。
待ち伏せされていませんように……。
頼みの綱のミランダは一日ずれての休みだ。
一組のアメリカ人夫婦のチェックイン手続きを済ませて顔を上げ、目に入った人物に「あ!」と驚きの声が出る。
カウンター正面にある噴水前のベンチに月城さんが長い脚を組んで座っていて、一瞬幻なのかと目を瞬かせた。
幻影ではなく実物だ。
いつまでもここにいて待っていると思われたくなくて、ソファからすっくと立ち上がる。
「ああ。おやすみ」
月城さんはあっさり挨拶をして、ついたままだったテレビのリモコンを手に取り、チャンネルを変えた。
翌日、月城さんと父は総理来訪で最後の会談の職務があるため、朝早く出かけていった。総理は昼前に次の訪問先インドへ飛ぶ予定らしい。
私は久しぶりに自分の運転で職場へ向かう。
ひとりで出かけるのはほぼ一週間ぶりで、ハーキム氏が頭から離れず不安と心配が絶えない。
そのせいか運転も注意力散漫になって、赤信号で停止していたが青信号になったのにも気づかず、後続車から派手にクラクションを鳴らされてしまった。
「はぁ~」
職場の駐車場に車を止めたとき、ようやく到着した感が否めずため息が漏れる。
その日の業務終了が近づき、カウンターの中から辺りへ視線を巡らせる。
待ち伏せされていませんように……。
頼みの綱のミランダは一日ずれての休みだ。
一組のアメリカ人夫婦のチェックイン手続きを済ませて顔を上げ、目に入った人物に「あ!」と驚きの声が出る。
カウンター正面にある噴水前のベンチに月城さんが長い脚を組んで座っていて、一瞬幻なのかと目を瞬かせた。
幻影ではなく実物だ。