エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
月城さんはスマホをいじっていたがふと顔を上げて、見ていた私と視線が合う。
彼が笑顔になり、私の心臓はドキッと音を立てた。でもあれはあくまでも演技。そう自分に言い聞かせて、私も微笑み小さく手を振った。
タクシーでわざわざ来てくれたのだろう。月城さんの姿に安堵する。
そんな私たちの間に、白いカンドゥーラ姿の男性が突如立ち塞がった。
月城さんの方を向いていて私はうしろ姿しか見えないが、ハーキム氏に間違いない。
月城さんが立ち上がり、ふたりはアラビア語でなにか話をしている。
ハーキム氏と対峙する月城さんが心配で、心臓がバクバク暴れだした。
カウンターから出てふたりに歩を進めると、ハーキム氏が去っていく。
「月、尚哉さん!」
「真佳奈」
彼の顔は険しかったが、目の前に立った私へは表情を戻した。
「なにを話したんですか?」
「後で話す。終わったか?」
月城さんは腕時計へ視線を落とし確認する。
「あ、はい。着替えてきます」
ハーキム氏となにを話したのか気になるが、彼が『後で話す』と言ったからには今答えてくれないだろう。
私はスタッフに挨拶をして、更衣室へ向かった。
いつになくすばやく着替えて月城さんとともに車に乗り込んだのに、「家で話す」と言って彼は運転に集中してしまった。
彼が笑顔になり、私の心臓はドキッと音を立てた。でもあれはあくまでも演技。そう自分に言い聞かせて、私も微笑み小さく手を振った。
タクシーでわざわざ来てくれたのだろう。月城さんの姿に安堵する。
そんな私たちの間に、白いカンドゥーラ姿の男性が突如立ち塞がった。
月城さんの方を向いていて私はうしろ姿しか見えないが、ハーキム氏に間違いない。
月城さんが立ち上がり、ふたりはアラビア語でなにか話をしている。
ハーキム氏と対峙する月城さんが心配で、心臓がバクバク暴れだした。
カウンターから出てふたりに歩を進めると、ハーキム氏が去っていく。
「月、尚哉さん!」
「真佳奈」
彼の顔は険しかったが、目の前に立った私へは表情を戻した。
「なにを話したんですか?」
「後で話す。終わったか?」
月城さんは腕時計へ視線を落とし確認する。
「あ、はい。着替えてきます」
ハーキム氏となにを話したのか気になるが、彼が『後で話す』と言ったからには今答えてくれないだろう。
私はスタッフに挨拶をして、更衣室へ向かった。
いつになくすばやく着替えて月城さんとともに車に乗り込んだのに、「家で話す」と言って彼は運転に集中してしまった。