エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
黙ったまま考え込んでいる様子で、彼をそんなふうにさせるような爆弾発言をハーキム氏がしたのかと気になって仕方がない。
自宅へ戻ると父も帰宅しており、リビングで日本の新聞をタブレットで読んでいた。
「ああ、おかえり。月城くん、迎えにいってもらってすまなかった」
「いいえ。領事、お話があります。真佳奈さんも座ってください」
え? 私とふたりだけではなく、お父さんも……?
ひとり用のソファの父の斜めに位置するソファに私が座り、月城さんは対面に腰を下ろした。
「改まってどうしたんだね?」
「お父さん、さっきハーキム氏が月城さんになにか言ったの」
「彼はまだあきらめていなかったのかね!」
寝耳に水の父は驚いて声を荒らげた。いつも冷静な父なのに。
「はい。彼は私に提案を」
「提案!?」
私は身を乗り出す。鼓動がふたりに聞こえそうなほど打ち鳴らしている。
「私たちの婚約が信じられない、事実ならばすぐに婚姻届けを提出して受理された書類を確認させろと。それが見られない場合は、私は王室を巻き込み真佳奈さんに求婚を公にすると」
「あの男はなにを言っているんだ!」
父は怒りを抑えきれず、拳をギュッと握った。
「プロポーズを公にしたとしても、応じなければいいのよ」
私がそう息巻いても月城さんは表情を変えずに、首を左右に振る。
自宅へ戻ると父も帰宅しており、リビングで日本の新聞をタブレットで読んでいた。
「ああ、おかえり。月城くん、迎えにいってもらってすまなかった」
「いいえ。領事、お話があります。真佳奈さんも座ってください」
え? 私とふたりだけではなく、お父さんも……?
ひとり用のソファの父の斜めに位置するソファに私が座り、月城さんは対面に腰を下ろした。
「改まってどうしたんだね?」
「お父さん、さっきハーキム氏が月城さんになにか言ったの」
「彼はまだあきらめていなかったのかね!」
寝耳に水の父は驚いて声を荒らげた。いつも冷静な父なのに。
「はい。彼は私に提案を」
「提案!?」
私は身を乗り出す。鼓動がふたりに聞こえそうなほど打ち鳴らしている。
「私たちの婚約が信じられない、事実ならばすぐに婚姻届けを提出して受理された書類を確認させろと。それが見られない場合は、私は王室を巻き込み真佳奈さんに求婚を公にすると」
「あの男はなにを言っているんだ!」
父は怒りを抑えきれず、拳をギュッと握った。
「プロポーズを公にしたとしても、応じなければいいのよ」
私がそう息巻いても月城さんは表情を変えずに、首を左右に振る。