エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「ほとぼりが冷めた頃、籍を抜けばいいのではないでしょうか? その後、真佳奈さんに好きな男性が現れたときにバツイチの説明をすれば問題ないのでは? 私も同じです」
「月城くんにそこまでしてもらうのは心苦しい」
困窮する父に、月城さんはあくまでも冷静さを失わず言葉を紡ぐ。
「私もいい加減あの男には苛立っているんですよ。手を出せないよう措置をするべきです。証明書を確認したらあきらめると言っていました。これが最善策ではないでしょうか?」
「うむむ……」
私と月城さんを交互に見ながら熟考している父は、少しして深いため息を漏らした。
「月城くん、申し訳ないがよろしくお願いします。真佳奈もそれでいいだろう?」
父の決定に私はうなずくしかない。
「わかりました。明日取り寄せますので、手続きをしてください」
「ああ。真佳奈の分も私が申請しよう」
父が申し訳なさそうに口にした。それから父と月城さんは入籍の手順について相談し始めた。
普通ならば時間がかかるはずだけど、二、三日で済むとふたりは話している。
夕食後、バスルームから出てぼうっと考えていた。書面上、私は月城さんの妻になるのだ。
私は当事者だから戸籍を汚すのはかまわないけれど、巻き込まれた月城さんは本当に大丈夫なのだろうか? ご家族の反応は? もしかして内緒?
「月城くんにそこまでしてもらうのは心苦しい」
困窮する父に、月城さんはあくまでも冷静さを失わず言葉を紡ぐ。
「私もいい加減あの男には苛立っているんですよ。手を出せないよう措置をするべきです。証明書を確認したらあきらめると言っていました。これが最善策ではないでしょうか?」
「うむむ……」
私と月城さんを交互に見ながら熟考している父は、少しして深いため息を漏らした。
「月城くん、申し訳ないがよろしくお願いします。真佳奈もそれでいいだろう?」
父の決定に私はうなずくしかない。
「わかりました。明日取り寄せますので、手続きをしてください」
「ああ。真佳奈の分も私が申請しよう」
父が申し訳なさそうに口にした。それから父と月城さんは入籍の手順について相談し始めた。
普通ならば時間がかかるはずだけど、二、三日で済むとふたりは話している。
夕食後、バスルームから出てぼうっと考えていた。書面上、私は月城さんの妻になるのだ。
私は当事者だから戸籍を汚すのはかまわないけれど、巻き込まれた月城さんは本当に大丈夫なのだろうか? ご家族の反応は? もしかして内緒?