エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
今気づいたミランダが目をキラキラ輝かせる。
「うん。入籍したの」
「おめでとう! 素敵なダーリンだものね。あ、でも今後はどうするの? 彼についていくの?」
「ううん。当分は遠距離結婚なの。結婚を急いだのはハーキム氏が結婚証明書で結婚を確認できたらあきらめると言ったから急遽……」
「まだあきらめていなかったの? 気持ち悪い男ね!」
ミランダはギュッと眉を寄せる。
「結婚証明書を突きつけてやったわ。もうつきまとわれることもなくなったのよ。人生バラ色よ」
人生バラ色は言いすぎだが、清々しい気持ちからそんな言葉が出た。
でも、楽しい気分は今日までかもしれない。明日、月城さんは帰国してしまう。彼がいる日常に慣れた今、明日からは寂しい思いに駆られそうだ。
「とにかく、あの男があきらめてよかったわ」
彼女は安堵したように怒らせていた肩を下ろした。
月城さんはいつものように私の就業時間が終わるギリギリの頃に姿を見せた。
朝と同じ紺色のサマースーツで、脚を組みベンチに座って待っている姿に、ロビーを行き交う女性たちが視線を向けていた。
更衣室へ向かう前に月城さんのもとへ近づく。
「真佳奈、もっとうれしそうにしろよ」
彼は私を抱き寄せて、耳もとでそっと忠告する。
「あ……」
「うん。入籍したの」
「おめでとう! 素敵なダーリンだものね。あ、でも今後はどうするの? 彼についていくの?」
「ううん。当分は遠距離結婚なの。結婚を急いだのはハーキム氏が結婚証明書で結婚を確認できたらあきらめると言ったから急遽……」
「まだあきらめていなかったの? 気持ち悪い男ね!」
ミランダはギュッと眉を寄せる。
「結婚証明書を突きつけてやったわ。もうつきまとわれることもなくなったのよ。人生バラ色よ」
人生バラ色は言いすぎだが、清々しい気持ちからそんな言葉が出た。
でも、楽しい気分は今日までかもしれない。明日、月城さんは帰国してしまう。彼がいる日常に慣れた今、明日からは寂しい思いに駆られそうだ。
「とにかく、あの男があきらめてよかったわ」
彼女は安堵したように怒らせていた肩を下ろした。
月城さんはいつものように私の就業時間が終わるギリギリの頃に姿を見せた。
朝と同じ紺色のサマースーツで、脚を組みベンチに座って待っている姿に、ロビーを行き交う女性たちが視線を向けていた。
更衣室へ向かう前に月城さんのもとへ近づく。
「真佳奈、もっとうれしそうにしろよ」
彼は私を抱き寄せて、耳もとでそっと忠告する。
「あ……」