エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
手荷物検査場へ向かったはずの月城さんだった。彼の姿にあぜんとなった私は、ヘナヘナとその場にくず折れそうになったところを安心の腕に支えられる。
月城さんに蹴り飛ばされた男がよろよろと立ち上がり、悔しげな視線を投げかけて逃げていく。
「どうして……ここに……?」
「空港に入ってから何度もあの男を目にして、嫌な感じを受けたんだ。真佳奈が去っていく方向へ男がついていく様子を見て、狙われているんだと確信した。車へ行くぞ」
カンドゥーラ姿の男は空港内にたくさんいたけれど、月城さんの野生のような感があたって助けにきてもらえたのだ。
月城さんは見えている自家用車へ歩を進めるが、全身がひどく震えてしまってよろける私を彼は抱き上げた。
「下ろしてと言いたいところだけど、ごめんなさい」
「怖い目に遭ったんだ。当然だ」
「車に着いたら、早く戻ってください。家に着くまで車から一歩も出ませんから」
「そんな状態で運転できるわけがないだろ」
助手席の横で私を下ろした月城さんはバッグから車の鍵を出す。
ドアが開けられ私を助手席に座らせると、彼は辺りを見回してから運転席にやって来た。
「月城さんっ、早く戻ってください。私はここで少し休めば大丈夫です」
「しっ」
彼は指を一本立てて私の唇にあててから、ポケットからスマホを出してどこかへ電話をかける。
月城さんに蹴り飛ばされた男がよろよろと立ち上がり、悔しげな視線を投げかけて逃げていく。
「どうして……ここに……?」
「空港に入ってから何度もあの男を目にして、嫌な感じを受けたんだ。真佳奈が去っていく方向へ男がついていく様子を見て、狙われているんだと確信した。車へ行くぞ」
カンドゥーラ姿の男は空港内にたくさんいたけれど、月城さんの野生のような感があたって助けにきてもらえたのだ。
月城さんは見えている自家用車へ歩を進めるが、全身がひどく震えてしまってよろける私を彼は抱き上げた。
「下ろしてと言いたいところだけど、ごめんなさい」
「怖い目に遭ったんだ。当然だ」
「車に着いたら、早く戻ってください。家に着くまで車から一歩も出ませんから」
「そんな状態で運転できるわけがないだろ」
助手席の横で私を下ろした月城さんはバッグから車の鍵を出す。
ドアが開けられ私を助手席に座らせると、彼は辺りを見回してから運転席にやって来た。
「月城さんっ、早く戻ってください。私はここで少し休めば大丈夫です」
「しっ」
彼は指を一本立てて私の唇にあててから、ポケットからスマホを出してどこかへ電話をかける。