エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「マカナがいなくなったら寂しいけど、あなたの身が心配だから」
「私も寂しいわ……」
もう一度ハグしたとき、フロントマネージャーと話し終えた月城さんが部屋から出てきた。彼の後ろにフロントマネージャーもいる。
「ミズ・マカナ、大変な目に合わせてしまいすまない。事態が事態だから、君を尊重する。ここを離れるのは君にとっていいことだよ。新天地でもがんばってくれ。手続きが住んだら、自宅へ書類を郵送する」
「はい。急で申し訳ありません。お世話になりました。お元気で」
ここにいてもハーキム氏の配下が様子を伺っていそうで落ち着かない。
私はそっと月城さんの手を掴んでいた。すると、彼は大きな手で私の手を包み込まれ、心が休まっていくのを感じた。
夕食後、私はふたつのキャリーケースに当座必要な物を詰め込む。
日本は暦の上では秋で、当面カーディガンなどを羽織れば着られそうな服を選んでしまっていく。
日本へ行くのは、四年前に母のお墓参りで戻って以来だ。
中学までは父は単身海外で働き、私と母は借家住まいだった。両親の祖父母はすでに他界しており、現在私たちに持ち家はない。だから月城さんの申し出はありがたい。
帰国しても彼には重要な仕事があるのだから、迷惑をかけずにひとりで動かなくては。
一昨日の夜のように父が部屋に姿を見せた。
「今いいか?」
「もちろんよ」
「私も寂しいわ……」
もう一度ハグしたとき、フロントマネージャーと話し終えた月城さんが部屋から出てきた。彼の後ろにフロントマネージャーもいる。
「ミズ・マカナ、大変な目に合わせてしまいすまない。事態が事態だから、君を尊重する。ここを離れるのは君にとっていいことだよ。新天地でもがんばってくれ。手続きが住んだら、自宅へ書類を郵送する」
「はい。急で申し訳ありません。お世話になりました。お元気で」
ここにいてもハーキム氏の配下が様子を伺っていそうで落ち着かない。
私はそっと月城さんの手を掴んでいた。すると、彼は大きな手で私の手を包み込まれ、心が休まっていくのを感じた。
夕食後、私はふたつのキャリーケースに当座必要な物を詰め込む。
日本は暦の上では秋で、当面カーディガンなどを羽織れば着られそうな服を選んでしまっていく。
日本へ行くのは、四年前に母のお墓参りで戻って以来だ。
中学までは父は単身海外で働き、私と母は借家住まいだった。両親の祖父母はすでに他界しており、現在私たちに持ち家はない。だから月城さんの申し出はありがたい。
帰国しても彼には重要な仕事があるのだから、迷惑をかけずにひとりで動かなくては。
一昨日の夜のように父が部屋に姿を見せた。
「今いいか?」
「もちろんよ」