エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
デスクの物を片づけていた手を止めて、父に椅子を勧めて私はベッドの上に座った。
「お父さん、こんな大事になってしまってごめんなさい」
「お前のせいじゃないと言っただろう? 私こそふがいなく思っている。証拠を集められないのだから。できれば捕まえてほしいくらいだ」
胸を痛めている父に、私は首を左右に振った。
「お父さんがドバイを離れたら、新しい赴任先へ行くからね」
「いや、私のところへ戻ってもお前は幸せにはなれない。前にも言ったように日本で好きな人を見つけなさい。もう二十六歳だ。できれば孫を抱きたい」
「お父さん……」
月城さんを愛してしまった今、彼と別れたら当分結婚はないだろう。父の気持ちが痛いほどわかり困惑した。
「まあそればかりは縁だからな。妥協で結婚してほしくないし、まずは日本で仕事を見つけなさい」
「うん。就職しないとね」
「愛しているよ」
父は私を愛(いと)おしげに見つめてからハグをした。
「大事な娘だ。月城くんがいち早く気づいて対処してくれて本当によかった。彼には返しきれない恩ができたよ」
「可能な限り月城さんの邪魔にならないようにするわ」
そう約束すると、父はやんわりと微笑んでうなずいた。
「お父さん、こんな大事になってしまってごめんなさい」
「お前のせいじゃないと言っただろう? 私こそふがいなく思っている。証拠を集められないのだから。できれば捕まえてほしいくらいだ」
胸を痛めている父に、私は首を左右に振った。
「お父さんがドバイを離れたら、新しい赴任先へ行くからね」
「いや、私のところへ戻ってもお前は幸せにはなれない。前にも言ったように日本で好きな人を見つけなさい。もう二十六歳だ。できれば孫を抱きたい」
「お父さん……」
月城さんを愛してしまった今、彼と別れたら当分結婚はないだろう。父の気持ちが痛いほどわかり困惑した。
「まあそればかりは縁だからな。妥協で結婚してほしくないし、まずは日本で仕事を見つけなさい」
「うん。就職しないとね」
「愛しているよ」
父は私を愛(いと)おしげに見つめてからハグをした。
「大事な娘だ。月城くんがいち早く気づいて対処してくれて本当によかった。彼には返しきれない恩ができたよ」
「可能な限り月城さんの邪魔にならないようにするわ」
そう約束すると、父はやんわりと微笑んでうなずいた。