エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
私の父は在ドバイ領事館の総領事。たいがい五年任期で異動するパターンになっている。現在はこちらの領事館に勤めて五年目になったばかりで、一年以内には日本へ帰国か諸外国の領事館か大使館へ行くはずだ。
そうなれば私も今のホテルを辞めて、父についていく。
母が七年前に病気で他界していることもあって、きょうだいのいない私は父の身の回りの世話をしている。まあ、世話というよりも父が大好きなので一緒にいたいし、ひとりにするのが心配なのだ。
食事や掃除に関してはメイドを雇っており、私がいなくてはならないというわけではないのだけど。
「マカナは相当なファザコンよね」
「はいはい、自他とも認めるファザコンよ。でも、父に素敵な女性ができたとしたら反対はしないわよ」
父は五十五歳。ダンディというわけではないけれど、娘から見てまだまだ男盛りに見える。だけど根が真面目で仕事人間なので、社交性はいまいちなのだ。
ミランダは高級住宅地にある白い塀に囲まれた一軒家の前に車を止める。私と父、メイドがふたり住み込んでいても大きすぎる家だ。
白く塗られた鉄柵の両脇にボディガードがふたり立っている。彼らは外務省が手配しているこちらの警備会社の人間だ。
「ミランダ、ありがとう。助かったわ」
「明日の朝も迎えにくるわね」
「感謝しているわ」
私は彼女の車から降りて、走り去るのを待って通用門から入る。
そうなれば私も今のホテルを辞めて、父についていく。
母が七年前に病気で他界していることもあって、きょうだいのいない私は父の身の回りの世話をしている。まあ、世話というよりも父が大好きなので一緒にいたいし、ひとりにするのが心配なのだ。
食事や掃除に関してはメイドを雇っており、私がいなくてはならないというわけではないのだけど。
「マカナは相当なファザコンよね」
「はいはい、自他とも認めるファザコンよ。でも、父に素敵な女性ができたとしたら反対はしないわよ」
父は五十五歳。ダンディというわけではないけれど、娘から見てまだまだ男盛りに見える。だけど根が真面目で仕事人間なので、社交性はいまいちなのだ。
ミランダは高級住宅地にある白い塀に囲まれた一軒家の前に車を止める。私と父、メイドがふたり住み込んでいても大きすぎる家だ。
白く塗られた鉄柵の両脇にボディガードがふたり立っている。彼らは外務省が手配しているこちらの警備会社の人間だ。
「ミランダ、ありがとう。助かったわ」
「明日の朝も迎えにくるわね」
「感謝しているわ」
私は彼女の車から降りて、走り去るのを待って通用門から入る。