エリート外交官と至極の契約結婚【極上悪魔なスパダリシリーズ】
月城さんは戻ってからずっと部屋で仕事をしていた。忙しそうで、夕食もそこそこに部屋へ戻った。本当ならばクアラルンプールで職務に着いていたはずで、リスケさせてしまったことを心苦しく思う。
「準備は済んだのか?」
「あと少しだけ」
「フライトスケジュールの関係で今夜出発か。急だが、体に気をつけて行ってきなさい。こちらのことは気にせずにな」
「はい」
父はそう言って部屋から出ていった。
二十四時を過ぎたところで、月城さんと私は父のボディガードふたりとともにドバイ国際空港へ向かった。
当初の予定通りクアラルンプールへ飛び、月城さんは半月後に控えた国土交通大臣の来訪時に必要な書類を揃える仕事をするという。
かなり重要な資料を任せられているらしいのに、月城さんは二日間かける予定のところを一日で終わらせなければならなくなった。
カウンターでチェックインを済ませ手荷物検査場のブースへ入ると、ようやく人心地がついた。
三時過ぎのフライトで、クアラルンプールへは約七時間後、時差は四時間進んでいるので、十四半頃の到着予定だ。
ビジネスクラスの席はゆったりとしていた。
窓側の席に座った私の隣が月城さんの席。彼は着席すると即座にノートパソコンを出し、仕事を始める。
私はといえば、ハーキム氏の手から逃れられた安堵感から気が緩んだのか、眠くて仕方がない。真夜中なのもあるけれど。
「準備は済んだのか?」
「あと少しだけ」
「フライトスケジュールの関係で今夜出発か。急だが、体に気をつけて行ってきなさい。こちらのことは気にせずにな」
「はい」
父はそう言って部屋から出ていった。
二十四時を過ぎたところで、月城さんと私は父のボディガードふたりとともにドバイ国際空港へ向かった。
当初の予定通りクアラルンプールへ飛び、月城さんは半月後に控えた国土交通大臣の来訪時に必要な書類を揃える仕事をするという。
かなり重要な資料を任せられているらしいのに、月城さんは二日間かける予定のところを一日で終わらせなければならなくなった。
カウンターでチェックインを済ませ手荷物検査場のブースへ入ると、ようやく人心地がついた。
三時過ぎのフライトで、クアラルンプールへは約七時間後、時差は四時間進んでいるので、十四半頃の到着予定だ。
ビジネスクラスの席はゆったりとしていた。
窓側の席に座った私の隣が月城さんの席。彼は着席すると即座にノートパソコンを出し、仕事を始める。
私はといえば、ハーキム氏の手から逃れられた安堵感から気が緩んだのか、眠くて仕方がない。真夜中なのもあるけれど。