3次元お断りな私の契約結婚





 緊張で溶けてしまうかと思った。

 それでも、巧が何度も心地いいアルトで私の名前を呼ぶたび力が抜けた。

 まるで宝物を触る子供のように私に優しく触れる巧の手が心地よくて、全身がただ幸福感に満ちてくる。ああ、本当に大事に思ってくれているんだって実感できた。

 そしてやっぱり巧という人間が、私は心底好きなんだと思い知った。





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