3次元お断りな私の契約結婚
「まあ似合ってるってなんだよ」
「え、似合ってるって褒めてるじゃん」
「見惚れるほどカッコよかったって言えばいいのに」
この男自分でこんな台詞言ってて恥ずかしくないのか? 呆れてその顔を見上げてみると、巧が子供みたいに私を見ているのに気がついた。
楽しそうに期待している顔で、私を見ている。
その顔が吹き出してしまいそうなくらい面白くて可愛く見えてしまって、私はつい笑いながら言った。
「……あは、うん、そうだね」
「え?」
「見惚れてた。新鮮で、カッコよくて。すごく似合ってるよ、浴衣」
私がそう言い終わった瞬間、あれだけ期待している顔をしていたくせにこの男は面食らったように目を見開き、そしてすぐに顔を赤くさせた。
その光景がまたしても面白くて笑ってしまった。普段すました顔して自信家のくせに、照れたりするとすぐ赤面するのを私は知っているのだ。
なによ、もう。こう言わせようとしてたのはそっちじゃない。
笑われていることが不愉快だったのか、巧は気まずそうに私から視線を逸らして立ち上がろうとする。その袖を慌てて引っ張った。
「あ、ちょっと」
「何」
「私は? 私の浴衣、可愛くて死にそう? のぼせそう?」
からかいながらそう尋ねてみた。赤くなって照れてるその顔をもっと見てたいと思ってしまったのと、本当に素直に女として感想が聞きたかったせいだ。
私にそう聞かれた巧は再びこちらを見て、私を上から下までじっと品定めするようにじっと見た。その行動に戸惑う。
あれ。なんか思ってた反応と違うんですけど。これ、『身長とサイズが合ってない』とか文句が出てきそうじゃん。
しばらく私を観察した巧は、うんと一つ頷いた。そしてぽかんとしてる私に瞬時に顔を寄せ、小声で言った。
「可愛いすぎて我慢できなくなりそう」
ぎょっとして巧の顔を見た瞬間、彼の唇が私の唇を覆った。今回はチキン南蛮の味はしなかった。
今度は私が真っ赤になる番だった。全身を固めてカチカチになっていると、巧がすっと離れる。そこにあった巧の顔は勝ち誇ったように片方だけ口角を上げている意地悪な顔だった。
それを見て、ああ仕返しか、と悟る。
さっき赤くなった巧を笑った仕返しなんだこいつは。
「さ、一息ついたら飯だな」
まるで何事もなかったかのように言いながら立ち上がる巧を軽く睨みつけ、性格の悪いこの男をどうしてやろうかと心で恨んだ。
「え、似合ってるって褒めてるじゃん」
「見惚れるほどカッコよかったって言えばいいのに」
この男自分でこんな台詞言ってて恥ずかしくないのか? 呆れてその顔を見上げてみると、巧が子供みたいに私を見ているのに気がついた。
楽しそうに期待している顔で、私を見ている。
その顔が吹き出してしまいそうなくらい面白くて可愛く見えてしまって、私はつい笑いながら言った。
「……あは、うん、そうだね」
「え?」
「見惚れてた。新鮮で、カッコよくて。すごく似合ってるよ、浴衣」
私がそう言い終わった瞬間、あれだけ期待している顔をしていたくせにこの男は面食らったように目を見開き、そしてすぐに顔を赤くさせた。
その光景がまたしても面白くて笑ってしまった。普段すました顔して自信家のくせに、照れたりするとすぐ赤面するのを私は知っているのだ。
なによ、もう。こう言わせようとしてたのはそっちじゃない。
笑われていることが不愉快だったのか、巧は気まずそうに私から視線を逸らして立ち上がろうとする。その袖を慌てて引っ張った。
「あ、ちょっと」
「何」
「私は? 私の浴衣、可愛くて死にそう? のぼせそう?」
からかいながらそう尋ねてみた。赤くなって照れてるその顔をもっと見てたいと思ってしまったのと、本当に素直に女として感想が聞きたかったせいだ。
私にそう聞かれた巧は再びこちらを見て、私を上から下までじっと品定めするようにじっと見た。その行動に戸惑う。
あれ。なんか思ってた反応と違うんですけど。これ、『身長とサイズが合ってない』とか文句が出てきそうじゃん。
しばらく私を観察した巧は、うんと一つ頷いた。そしてぽかんとしてる私に瞬時に顔を寄せ、小声で言った。
「可愛いすぎて我慢できなくなりそう」
ぎょっとして巧の顔を見た瞬間、彼の唇が私の唇を覆った。今回はチキン南蛮の味はしなかった。
今度は私が真っ赤になる番だった。全身を固めてカチカチになっていると、巧がすっと離れる。そこにあった巧の顔は勝ち誇ったように片方だけ口角を上げている意地悪な顔だった。
それを見て、ああ仕返しか、と悟る。
さっき赤くなった巧を笑った仕返しなんだこいつは。
「さ、一息ついたら飯だな」
まるで何事もなかったかのように言いながら立ち上がる巧を軽く睨みつけ、性格の悪いこの男をどうしてやろうかと心で恨んだ。