星が降る夜にー解説
戦場は敵か味方もわからない血で染まり、

誰もいなくなった。

潤いをなくした唇からは

血が出て鉄の味がした。

頭も妙に生暖かく、血が垂れて

視界を赤く染める。

けれど平気。貴方に会えて、

貴方を守れるのなら。

「ーー」

短く呼ばれた、私の名前。

それは、愛しの貴方の声。

幻聴だとわかっていても、振り向きたい。

けれど動かない。

知らないうちに、足を切られたの?

足が、言うことを聞いてくれない。
< 4 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop