愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
━カラン
んぁ?いい音色。
これ私の好きなバーのドアの音だあ~。
ふふ。
マスターがいい人で…。
「ったく、すいません。貴方が鈴子さんでしょうか?」
「あっら!本当にいい男じゃない!」
ん?この声どっかで聞いたことあるな~。
どこだろ?
「弥生がご迷惑をおかけしました。…おい!弥生!」
んー!
今いい夢みてるんだからペシペシ叩くなよ~!!!
「何をやっても無駄よ。その子全然起きやしないの!」
「本当に申し訳ありません」
「まぁいいのよ。常連ちゃんだし、それに結婚に不安を感じてたみたいだからね?」
「…不安ですか?」
「全部は言わないわよ。その子から聞きなさい」
「…そのつもりです」
あれさっきもフワフワしてたけど、今は空に浮いてるみたい…。
ふふ。楽しい~!
「おい。落ちないように首につかまれ」
くび~?
ふふ、おっけー!
━カラン
「いい男だけど独占欲強そうね。あの子大丈夫かしら…?」