愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
「東條仁…?」
「あ?俺の名前になんか…、って神宮アキ?」
「あっ!そうだ!この方凄腕トレーナーだよ!京都のスポーツジムで有名な!!」
「…あぁ。それでか」


そうだ!そうだ!
アキさんから覚えておく用の名簿一覧を貰ったんだけど、そこに東條仁さんの名前があったんだ。
名家や社長の名前が数多く並ぶ中、スポーツジムのトレーナーって職業名が書いてあって珍しくて覚えてたんだ。

まさかこんな所で会う事になるとは…!
世間って相変わらず狭いなぁ~。


「えっと、仁お知り合いな感じ?」
「神宮アキ…。だああ!コイツ!俺のジムに出資してくれてる石油王だ!」
「えええええええ!そんな人にあんな暴言はいちゃったの!?も、もう!本当に申し訳ありません!」


うわ、安藤さん青ざめてる…。
心なしか東條さんもやっちまった顔になってるなぁ。


「アキさん。出資とめたりしないよね?」
「あぁ。仕事と今回の件は別だ」
「ということなので心配しないでください。それにアキさんも自分が悪いと思っているようなので」
「ミリ単位だがな」
「コラ!」


憎まれ口をいいながらも東條さんが気になるのかチラチラ見ている。
そんなに気になるなら普通に話しかければいいのに。
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