愛しの彼に溺愛～石油王の場合～

━ガチャ、キィと重い音がしたかと思うと大きい玄関扉が開く。

そこから見える景色に驚愕する。

前言撤回よ！
何が慣れたよ！何がもう驚かないよ！リムジンに驚かなかったからって調子に乗りすぎよ！
そう自分で自分を罵倒する。


「「「「おかえりなさいませ」」」」


でも驚くのも当然だと思うの！だって！だって…！
さっきのダンディな執事さん以外にも沢山の執事さんやメイドさんが一列になってお辞儀してるんだもん…！


「あぁ。父さんと母さんはどこにいる？」
「大広間でお待ちです」


なのにアキさんはスタスタ中に入っていっちゃうし！
なんかのドッキリって言われた方が嬉しいよ！


「大広間はこっちだ。いくぞ」


そういうとアキさんは私の手を掴み引っ張る。
恋人繋ぎ…。今、このタイミングで…？

ドキドキするっていうよりもハラハラするんですが！