愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
アキさんに引っ張られるまま大広間に向かう。
気になる物がありすぎるが、キョロキョロするのは失礼かと思い真っ直ぐ前を見る。

━ガチャとおもむろに彼が扉を開ける。

そこには上品なご年配の男性と女性が優雅にお茶を飲んでいた。


「あら。おかえりない」
「おかえり」


お二人がこちらに気づいたのか挨拶をしてくれる。


「ただいま帰りました」
「そちらの方がお電話でいただいた小林弥生さんかしら?」
「おぉ!貴方が…!」
「あぁ。俺の婚約者の小林弥生だ」
「初めまして、この度婚約させていただきました小林弥生と申します」
「あらあらご丁寧に。私は神宮エリーゼ。こちらは夫の」
「神宮純一郎(じゅんいちろう)と申します。よろしく頼むよ」
「はい。よろしくお願いします」
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