愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
お二人とも優しそうで一安心。


「あ、これお土産のお箸になります」


そういって準備していたお土産を紙袋ごと渡す。
取り出し器用に包装を開封するエリーゼさん。

外国の方はパパっと開けちゃうイメージだったけど。
エリーゼさんって日本育ちなのかな…?


「まぁ!日本の?懐かしいわねぇ。アナタ」
「そうだな。久しぶりに木で作られた箸を見たよ。しかも夫婦箸ぁ…。粋な事をしてくれるな」
「横にお名前をいれさせていただきました」


二人揃って箸の横を確認する。
首の傾け方がそっくりで少し微笑ましい。

夫婦って似てくるのかな?それともこの人たちは元から似てたんだろうか?


「あら!素敵ねぇ…!」
「あぁ。綺麗に名が入っている。いい箸をありがとう」
「本当…!こんな素敵なお土産をいただいて本当に嬉しいわ」
「喜んでいただけているようで私も嬉しいです…!」


ふぅ…。
これで一仕事終了。

そう思っていたとき大広間の扉が開く音がした。
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