愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
シキさんの言葉で顔から熱が引いていくのを感じる。
きっと青白くなっていることだろう。

アキさんに捨てられる…?

その言葉から頭が離れない。


「ね?悪くない条件でしょ?」


…まるで悪魔みたい。
甘い言葉で囁いて、そちらへ誘おうとしてくる。

私に魅力があるんじゃない。

アキさんのだから欲しい。
アキさんの婚約者だから奪いたい。
ただそれだけ。

でも何で森さんとのことを知ってるの?

怖い。

この悪魔のような人が怖い…!


━《名前は違うかもしれないけど、どうしても君に知って欲しくて。というのも君を狙っているかもしれないんだ。ハンドルネームしか分からないんだけど…!》


…まさかゲームで森さんが知り合ったのって…!


「…キス、どこにしたのか知ってるの?」
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