愛しの彼に溺愛～石油王の場合～

仕事を終え、アキさんに指定された高級レストランへ向かった。

忘れもしない付き合って三年目の八月一日、私は彼のプロポーズを受けた。

とても嬉しかった。

昔から目を引く見た目ってことは理解していた。
それで同性から嫌われ惨めな学生時代を送っていた。

だから引きこもりだし見た目は分かりずらいように伊達眼鏡や前髪で隠すようになった。

そんな私に声をかけてくる男性なんかいつの間にかいなくなって…。

同性も苦手意識があるせいか友達も少ない。

そんな私、小林弥生二十五歳が結婚します！！


「弥生、お前に言ってなかったことがあるんだ」


ふわふわした脳内の私は軽い秘密だろうと思った。


「俺の職業国際系って言っていたんだが、本当は…石油王なんだ」


…。

へ？

━石油王？あの？

混乱する頭でどうにか理解しようとしたけど「嘘でしょ？」の言葉以外出てこなかった…。