愛しの彼に溺愛～石油王の場合～
アキさんの弟とはいえ、婚約者の弟と三人で観光なんて普通に緊張する。
ちゃんと楽しめるのかな…。
豪華なランチだったのに三人での観光が不安で全然味しなかった…。

折角の御馳走なのに。

うぅ…、ついてないな私。


「今からでも断われるが、どうする？」
「あ…、ううん。大丈夫！私たちの行く場所でいいって言ってたし、その場所でもずっと三人ってわけじゃないと思うし私は平気だよ」
「それならいいが」


そういいながら観光に行く準備をする。

少し早めにランチをしたから、十三時には完璧に準備が出来ていた。
流石の時間管理能力です。


「お待たせ、準備出来たよ」
「じゃあ行くか」
「うん！…あ、車で移動する予定だけど、まさか旅館に来た時の車？」


あのリムジン居心地がいいけど、心臓に悪いんだよなぁ。
と思いながら恐る恐る確認する。


「あぁ。運転手も一緒だ」


そう当たり前のように彼は答えた。

もう少し上品なメイクにすればよかった…。
そんな小さな後悔をしつつ、アキさんと一緒にロビーに向かった。
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