愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
私が準備している間にシキさんに連絡したのだろう。
私とアキさんがロビーにつくと、シキさんが待っていた。

爽やかに片手をあげてこちらに駆け寄ってくる姿はまるでアイドルのようだ。
この兄弟、系統は違うけど本当にイケメンなんだよな…。

心臓に悪い。


「ピッタリ十三時だね。流石、兄さん!義姉さんもさっきぶり」
「さっきぶりです」
「敬語じゃなくていいよ。僕の義姉さんになるわけだしね」
「は、はい」
「はいじゃないでしょ?」
「あ、うん!」


この爽やか弟、距離感が近い。
パーソナルスペースが狭すぎでしょ!

後ろに少し後ずさると、その間にアキさんが入ってきた。

ふぅ落ち着く…。


「もう少し離れろ」
「え、何?兄さん、嫉妬?」
「それもあるが、お前はパーソナルスペースが狭いんだよ。弥生にはもう少し離れて接しろ」
「えー!それじゃあ仲良くなれないよ?」
「そっちの方が仲良くなれない。そうだろ?弥生」
「う、うん。もう少し距離があると…、いいかな~…、なんて」
「フーン。向こうだと遠すぎる距離感なんだけどな~。まぁ、そっか。了解!次からは気を付けるよ」


ん?向こう?
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