愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
「重いだろ?」


そう一言告げる彼の優しい行動に胸が高まる。

少し照れながら「ありがとう」と伝えた。
それだけでもアキさんは満足そうにしてくれて、改めて婚約者になれてよかったなぁと思えた。


「ね、ねぇ。この旅行終わったら、アラブに行くのよね?」
「そうだな」
「ならご両親のお土産も買わないと!どんなものがいいと思う?」
「なんでもいいんじゃないか」
「そうは言っても、飛行機だから食べ物は難しいよね…。そうなると物かな?どんな物ならいいんだろう…」


お金持ちの人へのお土産ってわかんない!
しかも海外だし規制もあるだろうし…。


「もう、兄さん。なんでもいいって…」
「なんでもいいだろう。弥生が選んだ物なら喜ぶだろう」
「そういわれても困るのが、お嫁さんの立場でしょ」


何故私の気持ちがわかる!?
そう思いながら、シキさんの言葉に同意する。


「なら、日本特有の物ならどうだ?滅多に手に入るものじゃない」
「あ!いいね。そうしなよ!」
「確かに…、お箸とかいいかも」
「ならあっちだね」


アキさんとシキさんにエスコートされながら、お箸コーナーに向かう。
なんかお姫様になった気分。
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