ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。
「ほら。お邪魔なあたしたちは帰った帰った」
「ちょっ、どこ掴んでんの森山!
首っ!首しまるって!」
土方くんの首根っこを掴んで、キラッキラの笑みを浮かべた那咲はレジの方へ一直線。
「だ、大丈夫かな……というか久しぶりに土方くん見たけどあんなにテンション高かったっけ?」
「あー……まあ、いつものことだな」
ん?
頬をかきながら、少し気まずそうに目線をそらす渚に、私の頭の上にはハテナマーク。
なにかあったのかな……?
「まあ、碧のことは森山に任せて、俺たちも早く帰ろ」
「う、うん……」
「ごはん食べたあとは、いっぱいイチャイチャしような」
「っ、だからここ外だって……!」