ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。
「っ、なぎさ、の……ば、か、」
ぜんぶわかってた、なんて、ずるい。
じゃあ、あのとき戻ってきたのはそういうこと?
やっぱり私のすべてがお見通し。
「ふっ、だって言ったじゃん俺、今日は満月だって」
「満、月……」
「そう。満月の夜、男は狼になるんだよ」
「おお、かみ……」
けど、まあ……。
「俺の場合、満月関係なしに、毎日むぎに欲情してるし、狼になってるんだけど」
なんてクスッと笑う。
「なぎ……」
「うん?」
「なぎさ……せん、ぱ、い」
「っ!!あー……やっば」
「え……?」
「自分で言わせといてなんだけど、めちゃめちゃグッてきた。くっそかわいい。たまんない」
「っ、なぎ、」
そして、もう一度。
ふっと笑った渚は。
「もう我慢しない。理性とか限界とかぜんぶなくなるまで、愛してあげる」
とびきり甘く囁いて、私にどんなスイーツよりも甘いキスを落とした。