ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。
□彼女、愛しさ満点◎
「渚、起きて!」
「んんっ……」
「もう7時だよ。
そろそろ起きないと」
「んー……ねむい、」
もう……だから明日学校あるよって言ったのに。
次の日の朝。
ベッドから出てこない渚の肩をトントンする。
「もう、先にごはん食べて……」
「行かせるかよ」
「えっ……きゃあっ!?んっ……」
っ、な、なにするの……!?
グッと腕を引き寄せられたと思ったら、ふれるだけの軽いキスが落ちてきた。
「おはよう、むぎ」
伏せられていた長いまつげがゆっくり上がって。
「むぎも、して?」
「っ、いいかげん起きないと……っ」
「してくれたら俺、すぐに起きるんだけどなー」
私を見上げる顔はいじわる満点。
逃げ道なんて作ってくれない。
っ、完全に起きてるくせに……!
「な……約束、ふたりで決めたじゃん」
「っ〜〜、もうっ……!」
一瞬ふれて、すぐに離れて。
「さ、先に食べてるからっ!」
「ちょっ、む……」
っ……耳まであっつい。
ほんっとはずかしい……。
1日4回はキスしなきゃいけない新婚ルール。
同意した過去の自分を今すぐ殴りたい……。