ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。
***
「つーかホテルのスイートで同棲って、さっすが大手リゾートの一人息子!」
「その言い方やめろ」
「つか、くっっそ楽しそう!!
オレ超遊びに行きたいんだけど!部屋見たい!!
今度行っていい??」
「ぜったい来んな」
ちぇー、ケチ。
なんて口を尖らしてるけど、ぜんぜんかわいくない。
ぜったいニヤニヤしながら変な妄想するだろ、こいつ。
この部屋でどうとか、ああだとか。
プールとか浴室とか見られた暁には……ぜったいいやだ。
「けどさ、まじでやばかったよな、渚」
「なにが?」
「いや、ほらさ〜、一時期星見と登下校してないときあったじゃん?ここ1ヶ月くらい。あのときのおまえ、完全に目えイッちゃってたよ」
「あー……」
「クラスのやつら、みんっな、おまえのこと怖がって震え上がってた」
あのときは、たしかに。
自分で言うのもアレだけど、ほとんど記憶ないくらい荒ぶってた自信しかない。
1ヶ月、離れてたもんな……。
正直1日だけでも頭狂いそうだったのに、もはや途中からまじであのとき死んでたんじゃね?ってくらい、あの1ヶ月の記憶がすっぽり抜けてる。
声を聞かない、話をしない、目が合わない。
俺にとってむぎは、幼なじみで、彼女で、婚約者ってだけじゃなくて。
少し離れるだけで生きた心地がしないほど、大切で、大好きで、愛おしい、俺の生きがい。
「なのに離れてたと思ったら、同棲始めて、しかもペアリングて。つけてんの見たとき、まじでいっぺん死んだかと思った」
「それは言いすぎ」
「いやいやまじだって」
どんな恋愛の仕方だよ!?ってツッコミたくなったもん、俺。
なんて苦笑いの碧の前で、太陽の光に反射して輝く指輪を見つめる。
とにかくむぎが欲しくてしょうがなくて。
両思いだってわかったときは、もう今となってはかっこ悪いほどに必死だった。
デートして、付き合って、キスして。
確かに他の人から見れば、そんなちゃんとした順序があるだろって思われるかもしれない。
だけど……。
「けどさ、ふたりが幸せならいいんじゃね、順番なんて」
「碧」
「元々幼なじみなんだし、ずっと両思いだったわけだし。親も認めてるなら、周りがどうこう言う話じゃねーよ、そんなん。いろんな形の恋愛があって良いと思うよ、オレは」
「……碧。めちゃめちゃイイこと言ってるけど、実際どうなの、森山とは」
「っ、はああああ!?」
「つーかホテルのスイートで同棲って、さっすが大手リゾートの一人息子!」
「その言い方やめろ」
「つか、くっっそ楽しそう!!
オレ超遊びに行きたいんだけど!部屋見たい!!
今度行っていい??」
「ぜったい来んな」
ちぇー、ケチ。
なんて口を尖らしてるけど、ぜんぜんかわいくない。
ぜったいニヤニヤしながら変な妄想するだろ、こいつ。
この部屋でどうとか、ああだとか。
プールとか浴室とか見られた暁には……ぜったいいやだ。
「けどさ、まじでやばかったよな、渚」
「なにが?」
「いや、ほらさ〜、一時期星見と登下校してないときあったじゃん?ここ1ヶ月くらい。あのときのおまえ、完全に目えイッちゃってたよ」
「あー……」
「クラスのやつら、みんっな、おまえのこと怖がって震え上がってた」
あのときは、たしかに。
自分で言うのもアレだけど、ほとんど記憶ないくらい荒ぶってた自信しかない。
1ヶ月、離れてたもんな……。
正直1日だけでも頭狂いそうだったのに、もはや途中からまじであのとき死んでたんじゃね?ってくらい、あの1ヶ月の記憶がすっぽり抜けてる。
声を聞かない、話をしない、目が合わない。
俺にとってむぎは、幼なじみで、彼女で、婚約者ってだけじゃなくて。
少し離れるだけで生きた心地がしないほど、大切で、大好きで、愛おしい、俺の生きがい。
「なのに離れてたと思ったら、同棲始めて、しかもペアリングて。つけてんの見たとき、まじでいっぺん死んだかと思った」
「それは言いすぎ」
「いやいやまじだって」
どんな恋愛の仕方だよ!?ってツッコミたくなったもん、俺。
なんて苦笑いの碧の前で、太陽の光に反射して輝く指輪を見つめる。
とにかくむぎが欲しくてしょうがなくて。
両思いだってわかったときは、もう今となってはかっこ悪いほどに必死だった。
デートして、付き合って、キスして。
確かに他の人から見れば、そんなちゃんとした順序があるだろって思われるかもしれない。
だけど……。
「けどさ、ふたりが幸せならいいんじゃね、順番なんて」
「碧」
「元々幼なじみなんだし、ずっと両思いだったわけだし。親も認めてるなら、周りがどうこう言う話じゃねーよ、そんなん。いろんな形の恋愛があって良いと思うよ、オレは」
「……碧。めちゃめちゃイイこと言ってるけど、実際どうなの、森山とは」
「っ、はああああ!?」