ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。
「わーお、星見大胆♡」
「むぎ……あんた、あとから大変なことになるわよ?」
え?
「大変って……」
「あーっ、もう……っ」
ビクッ!!
えっ、えっ、なに!?
耳元で大きい声がしてびっくりしたら、勢いよく体を離されて。
「っ、くっそ……最悪」
「うっわ、渚の照れ顔なんてオレ初めて見たんだけどっ!!」
「さすがむぎ大好き人間なだけあるわね。
けど今のはいろいろクるものがあったんじゃない?」
「おまえら……」
「えっ、え?
私……」
うわやべー!めっちゃテンション上がるっ!!
なんて、笑顔でスマホを構える土方くんと、ニヤリと口角を上げて渚を見る那咲。
そして、
「あの、なぎ……」
「言質とったからな」
「え?」
「さっき言ったこと、忘れんなよ。
家帰った瞬間押し倒すから」
「はっ!?」
なんで!?なんでそうなるの!?
髪をぐしゃぐしゃっとして、ほんのり耳を赤くしながらも、どこか鋭い熱っぽい目を私から離さない渚。
「うっわ、肉食」
「ヤダー!ケモノがいる!」
「だれがだよ」
なんて3人が話す横で。
え、私……?
「もしかして、とんでもないこと、言っちゃった……?」
みんなの言う意味がわかって、1人顔を真っ赤にするしかなかった。