ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。
それからお店を離れて、土方くんの言っていたジュース屋さんへ。
那咲と私がレモネード。
渚はスイカで、土方くんはマンゴー。
「ん!おいし〜!」
「うん、さっぱりしてていくらでも飲めそう」
「うっまー!」
やっぱり暑いときはレモンに限る!
けどいっぱい種類あるなぁ、このお店。
りんご、オレンジ、キウイ、パイン、メロンなどなど。
どれもフルーツ100%らしくて、正直ぜんぶ飲みたいくらい……。
「ん、うま……」
渚は、スイカ。
とろっとしてゴロゴロ果肉も入ってるみたいで。
クールな渚が……。
珍しく顔を綻ばせてる。
スイカ……めちゃくちゃおいしそう。
「飲んでみる?」
「えっ!」
いつの間にかじっと渚を見ていたみたいで、クスッと笑って言われた。
「い、いいの?」
「レモンのほうも気になってたし、そっちも1口くれる?」
「そ、それはもちろん」
「なら、はい」
どーぞ。
頬杖をついて、コテンと首を曲げて、ストローが刺さったまま差し出してくる。
えーと……?
「こ、このまま?」
「ん、このまま」
じ、自分で飲めるんですが!?
てか、ちょっと待って……。
「こ、これ……」
「ん?」
関節キスじゃん!