ふたりきりなら、全部、ぜんぶ。


「あ、う、……なぎ、さ……っ」


痛みなんか、一つもない。

たくさんたくさん気遣ってくれたから、

甘くて気持ちよすぎるほどの波がなんども押し寄せるだけ。

抑えたくても、抑えられない震える体と漏れる声に。


「気持ちいいな、いいこ。上手だよ」


何度も頭をなでてくれて、汗が流れ落ちる渚の額から、いっしょに目からもとろりと熱が滴る。


「なぎ、さ……」

「っ、は、どうした?」


「手、ぎゅっと、して……」


その瞬間、またぎゅうっと指が絡められて、深く深く唇が重なる。


「なぎ、さ……」


「っ、ん……?」


「大好き、だよ、」


「俺も。大好き」
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