俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜交際0日婚で腐女子の私は甘々に溺愛されてます〜
「……美桜は漫画が好きだろ、でも読んでる漫画は男と女の恋愛でBLは読んでないって最初に言ってたもんな。だからますます言いづらいと言うか……」

 ほんの数秒の沈黙の後、頭を掻きながら決心したかのように口を開く。

「俺の姉がBL漫画家なんだよ。それで……原稿書くのに呼び出されてて、多分美桜が見た男の人も姉の担当編集者さんだと思う。俺、あの人と原稿の資料の為だからって……その、か、絡まされてるんだよ……決してやましいアレではないんだけどな。たけど、BL好きな人じゃない限り男同士が絡んでるってちょっと抵抗ないか?」

 おっと。思考回路がまたもついていかなくて頭の中がぐちゃぐちゃになっている。つまり、隆ちゃんは私が腐女子と言う事を知らない故に、自分が姉の漫画の資料にされている事を私に知られたくなかったって事……かな?

「……おねえさんペンネームは?」

「確か高森亜也だったかな」

 全身の細胞がザワザワと騒ぎ出す。心臓がバクバクと激しく動く。


(え、ちょっと待って? あの私の一番推しの高森亜也先生が隆ちゃんのお姉さんで、そのBLの資料に隆ちゃんが使われてて、え、それってやばすぎる!!! 凄すぎる!!!)
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