俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜交際0日婚で腐女子の私は甘々に溺愛されてます〜
 彼女の腕をグイッと引き寄せ二人で真新しいベットにドサっと寝転んだ。
 まだ何にも染まっていない新しい布団の匂いがする。この匂いが段々俺と美桜の匂いになっていくのかと思うとちょっとゾクゾクした。

「あ、新しいお布団だから……よ、汚さないようにしないとね……」

 恥ずかしそうに布団の心配をする彼女にはまだそんな事を考える余裕があるのか、とちょっと意地悪したくなった。

「なに? 美桜はそんなに布団汚すほど濡れちゃうんだ」

「なっ!!! ち、違うし!!! その、初めてだから血が出ちゃうのかな……って、てかこの歳で初めてとか引くよね! その、漫画ではしょっちゅう見てるんだけど、リアルは初めてなので宜しくお願いします!」

 次から次へと出てくる美桜の言葉に彼女は不安を抱いているように感じた。もう一度彼女を引き寄せ抱きしめると少しだけ肩が震えている。大丈夫だ、という気持ちを込めて彼女の頭を撫でた。けれど俺にとってこんなにも嬉しい展開はない。だって美桜の最初で最後の男になれるのだから。不安をなるべく取り除き、史上最高に蕩けるような初めてのセックスにしてあげたい。
 俺の腕の中でオロオロしている美桜。子供を宥めるかのように背中もさすった。
< 18 / 186 >

この作品をシェア

pagetop