俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜交際0日婚で腐女子の私は甘々に溺愛されてます〜
 まだ朝の八時すぎだというのに外はムワッと蒸し暑い。もう六月、そろそろ梅雨が訪れるのかと思わせる湿度だ。二人で並んで歩く。私の歩幅にさりげなく合わせてくれている隆ちゃんに朝から好きだなぁと思わせられる。

「美桜、凄く顔に出てるぞ」

「ふぇ!? な、何が!?」

「一緒の会社ってリアル漫画みたいって思ってただろ?」

(……うぅ。バレてた。)

「俺も少しずつ美桜の事が分かってきたのかな、本当分かりやすくて可愛い」

 ニヤリと笑って私の頭にポンと手を置く。隆ちゃんの方こそ少女漫画を熟知しているんじゃないかと思わせる態度に朝からキュンキュンしっぱなしで溶けそうだ。
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