俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜交際0日婚で腐女子の私は甘々に溺愛されてます〜
 後片付けは私がやる、と言って皿を洗い、ダイニングテーブルの上を布巾で拭く。片付けが終わりソファーでテレビを見ている隆ちゃんの横にストンと座るとグイッと肩を抱かれ彼の胸元に引き寄せられた。驚くよりも嬉しくて、猫のように胸元に擦りつく。

「さっき俺が言った頼み事聞いてくれる?」

「うん、もちろん。何?」

 手を引かれソファーから立ち上がり、歩き始める。「こっちきて」と手を引かれるがままにたどり着いた先はお風呂場。も、もしや……と勘づいた時には遅く、バサッと着ていたTシャツを子供を脱がせるようなバンザーイの形で脱がされた。

「ちょっ、隆ちゃん!?」

 咄嗟に露わになった胸を両手で隠す。下着を着けていても恥ずかしいものは、恥ずかしい。

「今日は一緒に風呂に入ろっか」

「へぇ!? 本気!?」

「美桜が見てる漫画にも一緒に風呂に入ってるシーンあったじゃん」

「いや、そりゃ、あれは二次元であって、私達は三次元と言いますか……」

「はい、ぐだぐだ言わないで脱いで。それとも他も俺が脱がそうか?」

 意地悪な笑みを浮かべてジロリと私を見る。隆ちゃんのドSスイッチが押されてしまったみたいだ。
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