俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜交際0日婚で腐女子の私は甘々に溺愛されてます〜
「早くさない! じゃないと過激なポーズさせるわよ!」

「っつ……」

 重い足取りで部屋に入ると、それはもう地獄絵図だった。
 そう、今日のここに呼び出した張本人は俺の八個上の姉、高林姫咲(たかばやし きさき)だ。姫が咲くと書いてきさきと読むが、全く姫の要素がない。むしろ女王様のようで俺を下僕のように扱う。
 長い黒髪をお団子頭にし、ヘアバンドでさらに髪が落ちてこないように留めている。眼鏡越しでもわかるほどの目の下の黒い隈に、中学時代のジャージ上下と他の人には見せられないようなボロボロな姿。(一体何年着てるんだよ)
 姫咲は超売れっ子BL漫画家だ。ペンネームは確か高森亜弥(たかもり あや)だった気がする。
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