俺の妻は腐女子ですがなんら問題ありません。〜交際0日婚で腐女子の私は甘々に溺愛されてます〜
 渋々ベットの上に横たわり腕を差し出す。何が好きで男を腕枕しなきゃなんねーんだ。俺は柔らかくていい匂いの美桜だけを抱きしめたいのに。

「じゃ、じゃあ隆一さん、すいませんが失礼します」

 申し訳なさそうに広志さんが俺の胸元に顔を寄せ腕枕の体制になる。広志さんも担当になってから姫咲の無茶横暴に文句一つ言わずに従っている。本当プロの編集者魂ってやつなんだろうか。

「あ〜、いい。いいわ。そのままその体制キープしてね〜、あ、隆一もっと広志のこと引き寄せて」

(これ以上引き寄せろっての!?)

「……早く、やれ」

 叫び出したい気持ちを我慢してグイッと広志さんを引き寄せる。これは美桜、これは美桜、自分に暗示をかけながら必死に耐えた。

「よし、オッケー。次は広志を壁に追いやって、隆一が広志の左脚を持ち上げて攻めてるシーンで」

 どんどん俺の生気が姫咲に吸い取られていくのに対して姫咲はテンションマックスで目をギンギンに見開いて手を動かし絵を描いている。まじで漫画家って凄すぎ……
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