すべてが始まる夜に
だが、茉里が実際のところ俺のことをどう思っているのか全くわからず、それとなく遠回しに聞いたところで、毎回望んでいる回答は得られなかった。
そのことで毎回ショックを受ける俺がいて、俺は初めてこんなにも弱い人間だったんだと思い知らされた。
だから昨日、茉里が俺のことを好きだと言ってきたときは一瞬信じられなくて、また早まってショックを受けてしまうのではないかと身構えてしまった。
本当に恋人同士になれたとわかったときには嬉しすぎて、今までの自分の気持ちをぶつけるように、本能のまま茉里を抱いてしまった。
愛する女を抱く幸せを知った今、もう茉里のいない生活は俺には無理だろう。
早く結婚をして家族を作り、2人の結びつきを揺るぎのないものにしたい。
「お前はさ、俺のことをモテるモテるって言ってたけど、俺はこんなにも不安でいっぱいなんだ。きちんとプロポーズするから、早く俺の嫁さんになってくれよな」
すべてが始まったのは、あの夜のあの発言がきっかけだったけれど、俺は茉里が信じて疑わなかったマニュアル本とやらに今は本当に感謝したい。
こんなにも純粋で真面目で一生懸命で、誰にも触れられてなくて。そんな茉里が俺の前に現れ、俺だけのものになってくれて。
正月に実家に帰ったら、親父とお袋に結婚の話をしておこう。
そしてお袋の弟である叔父の社長にも──。
俺は茉里の手を軽く握ると、そのまま静かに目を閉じた。
そのことで毎回ショックを受ける俺がいて、俺は初めてこんなにも弱い人間だったんだと思い知らされた。
だから昨日、茉里が俺のことを好きだと言ってきたときは一瞬信じられなくて、また早まってショックを受けてしまうのではないかと身構えてしまった。
本当に恋人同士になれたとわかったときには嬉しすぎて、今までの自分の気持ちをぶつけるように、本能のまま茉里を抱いてしまった。
愛する女を抱く幸せを知った今、もう茉里のいない生活は俺には無理だろう。
早く結婚をして家族を作り、2人の結びつきを揺るぎのないものにしたい。
「お前はさ、俺のことをモテるモテるって言ってたけど、俺はこんなにも不安でいっぱいなんだ。きちんとプロポーズするから、早く俺の嫁さんになってくれよな」
すべてが始まったのは、あの夜のあの発言がきっかけだったけれど、俺は茉里が信じて疑わなかったマニュアル本とやらに今は本当に感謝したい。
こんなにも純粋で真面目で一生懸命で、誰にも触れられてなくて。そんな茉里が俺の前に現れ、俺だけのものになってくれて。
正月に実家に帰ったら、親父とお袋に結婚の話をしておこう。
そしてお袋の弟である叔父の社長にも──。
俺は茉里の手を軽く握ると、そのまま静かに目を閉じた。