すべてが始まる夜に
「茉里、最初に言っておくけど、俺はただの普通の一般家庭に育った人間だからな。たまたま会社と近い存在の人間だけど、すごいのは祖父さんや叔父さんであって、俺が作った会社じゃないんだ。だからそんなことは気にするな。俺から逃げようとか思うなよ。俺はお前を手放す気は全くないからな」
そのままぎゅうっと私を抱きしめる。
「悠くんは……社長になる人かもしれないんだよ。ほんとにわたしなんかでいいの?」
「いいに決まってるだろ? 悪い理由がどこにあるんだ? お前に気づいてもらうために、俺がどれだけ頑張ったか知ってるか? これだけ俺を好きにさせといて、今さらなかったことにするとかあり得ないだろ。そんなことは絶対に許さないからな」
その言葉で不安だった気持ちが一気に消え去り、靄がかかっていた心の中が満たされた気持ちでいっぱいになる。
「悠くん、ありがとう……。好き以外の言葉が見つからないけど、わたし、悠くんが好き。大好き。悠くんと離れたくない」
「茉里、俺も大好きだよ。俺も一生茉里のそばにいたい。………なあ、これから一緒に風呂に入ろっか?」
耳元でそう囁かれ、私は「えっ?」と肩にまわしていた手を解き、部長の顔を見た。
「なんだよ。いい雰囲気だったのに、ここであからさまにそんな嫌な顔するか? 落ち込むだろ?」
「だって……悠くん、すぐ触るもん……」
「当たり前だろ? 触るために一緒に入るんだから」
「えっ……?」
「茉里、よく考えてみろ。一緒に風呂に入って、好きな女が裸で自分の目の前にいるっていうのに、触らない男の方がおかしいだろ?」
確かにそうだけど、いつもこうしてもっともらしいことを言われて納得してしまいそうになるけれど、ここは断固として拒否しなければならない。
熱海から帰って来て、私は4回ほど部長と一緒にお風呂に入っているけれど、毎回散々な目にあわされている。
ここで流されて一緒に入ってしまったら、また今日も触られるだけじゃ済まなくて、浴室の中で恥ずかしい姿をさせられて、頭の中を真っ白にさせられてしまう。
「悠くん、一緒に旅行に行ってから、えっちだよね?」
「はっ?」
「だって、どこでもするんだもん……」
「お前な……、人を猿みたいに言うなよ……」
猿? と首を傾けると、部長が突然スカートの中に手を入れてきた。
「だめっ、悠、くん……」
降りかかる息に身体全体が甘い痺れに覆われてしまう。
私はまた快感の中へと導かれていった。
そのままぎゅうっと私を抱きしめる。
「悠くんは……社長になる人かもしれないんだよ。ほんとにわたしなんかでいいの?」
「いいに決まってるだろ? 悪い理由がどこにあるんだ? お前に気づいてもらうために、俺がどれだけ頑張ったか知ってるか? これだけ俺を好きにさせといて、今さらなかったことにするとかあり得ないだろ。そんなことは絶対に許さないからな」
その言葉で不安だった気持ちが一気に消え去り、靄がかかっていた心の中が満たされた気持ちでいっぱいになる。
「悠くん、ありがとう……。好き以外の言葉が見つからないけど、わたし、悠くんが好き。大好き。悠くんと離れたくない」
「茉里、俺も大好きだよ。俺も一生茉里のそばにいたい。………なあ、これから一緒に風呂に入ろっか?」
耳元でそう囁かれ、私は「えっ?」と肩にまわしていた手を解き、部長の顔を見た。
「なんだよ。いい雰囲気だったのに、ここであからさまにそんな嫌な顔するか? 落ち込むだろ?」
「だって……悠くん、すぐ触るもん……」
「当たり前だろ? 触るために一緒に入るんだから」
「えっ……?」
「茉里、よく考えてみろ。一緒に風呂に入って、好きな女が裸で自分の目の前にいるっていうのに、触らない男の方がおかしいだろ?」
確かにそうだけど、いつもこうしてもっともらしいことを言われて納得してしまいそうになるけれど、ここは断固として拒否しなければならない。
熱海から帰って来て、私は4回ほど部長と一緒にお風呂に入っているけれど、毎回散々な目にあわされている。
ここで流されて一緒に入ってしまったら、また今日も触られるだけじゃ済まなくて、浴室の中で恥ずかしい姿をさせられて、頭の中を真っ白にさせられてしまう。
「悠くん、一緒に旅行に行ってから、えっちだよね?」
「はっ?」
「だって、どこでもするんだもん……」
「お前な……、人を猿みたいに言うなよ……」
猿? と首を傾けると、部長が突然スカートの中に手を入れてきた。
「だめっ、悠、くん……」
降りかかる息に身体全体が甘い痺れに覆われてしまう。
私はまた快感の中へと導かれていった。