すべてが始まる夜に
「ちょっと待って。茉里と部長って同じマンションに住んでるの? 偶然?」
「うん。私も全然知らなかったんだけど、たまたま偶然同じマンションってことがわかって、そこから一緒にごはん食べたりして……」
部長にレッスンを受けていたなんて絶対に恥ずかしくて言えないので、どうしても言葉を濁してしまう。
「なに、その偶然……。そんな偶然、マジでうらやましい。そりゃあ、仕事の帰りが一緒だったりしたら、ごはんに行ったりするようになるよね」
「そうですよね。誘いやすいですもんね」
葉子も若菜ちゃんも納得してくれたのか、頷いている。
「で、告白は? 部長に “茉里が好きだ、付き合ってほしい” って言われたの?」
またしても2人が私の答えを待つようにじっと見つめる。恥ずかしくて黙っていると、「そんな勿体ぶらないで言いなさいよ」と葉子が口を尖らせてきた。
「す、好きって言ったのはわたしから……」
「えっ、茉里から?」
「茉里さんからですか!」
再び二人が声を揃えて驚いた声を出す。
「ちょっ、ちょっと、部長からじゃないの?」
「う、うん……。す、好きって言ったら、俺も好きだって……」
「きゃあー。なにそれ、惚気?」
「葉子さん、私たちは惚気を聞いているんですから、完璧な惚気ですよ!」
2人ともが楽しそうに口元に手を当ててニヤニヤしている。
「うん。私も全然知らなかったんだけど、たまたま偶然同じマンションってことがわかって、そこから一緒にごはん食べたりして……」
部長にレッスンを受けていたなんて絶対に恥ずかしくて言えないので、どうしても言葉を濁してしまう。
「なに、その偶然……。そんな偶然、マジでうらやましい。そりゃあ、仕事の帰りが一緒だったりしたら、ごはんに行ったりするようになるよね」
「そうですよね。誘いやすいですもんね」
葉子も若菜ちゃんも納得してくれたのか、頷いている。
「で、告白は? 部長に “茉里が好きだ、付き合ってほしい” って言われたの?」
またしても2人が私の答えを待つようにじっと見つめる。恥ずかしくて黙っていると、「そんな勿体ぶらないで言いなさいよ」と葉子が口を尖らせてきた。
「す、好きって言ったのはわたしから……」
「えっ、茉里から?」
「茉里さんからですか!」
再び二人が声を揃えて驚いた声を出す。
「ちょっ、ちょっと、部長からじゃないの?」
「う、うん……。す、好きって言ったら、俺も好きだって……」
「きゃあー。なにそれ、惚気?」
「葉子さん、私たちは惚気を聞いているんですから、完璧な惚気ですよ!」
2人ともが楽しそうに口元に手を当ててニヤニヤしている。