すべてが始まる夜に
すると、白石がゆっくりと寝返りを打ちながら反対側に身体を向けた。その瞬間、テーブルの脚にゴツッとおでこをぶつける。
今の音、ぶつけた音だよな?
大丈夫か?
ぶつけたのが痛かったのか、白石はおでこを手で摩っている。痛さで起きるかなと思って黙って様子を見ていると、眠ったままテーブルを遠ざけようと手でテーブルの脚を押し始めた。
いくらなんでもその重たいテーブルはそんな力じゃ動かないだろ。
心の中でツッコミながらその姿に思わず笑ってしまう。
だが次第にそんな行動を見ていることが白石のプライベートを覗き見しているような気がしてきて、自分がいけないことをしている感覚に陥ってきた。
誰も見ていないにも関わらず、慌てて視線を逸らす。
どうするべきか、ここは起こすべきなのか──と迷っていると、突然白石が勢いよく上半身を起こした。
ゴツン──。
上半身を起こした拍子に、今度は勢い余ってテーブルに頭をぶつける。
「いっ、痛ったーい」
今にも泣きそうな声が部屋に響き、相当痛かったのか両手でおでこを押さえている。
そりゃそうだろう。
この硬いテーブルにぶつけたんだ。
今のは絶対に痛いはずだ。
大丈夫か──と口を開こうとしたとき、白石が素早く俺の方を振り返った。そして俺と目が合った途端、くりんとした二重の目を思いっきりまん丸にして固まった。
今の音、ぶつけた音だよな?
大丈夫か?
ぶつけたのが痛かったのか、白石はおでこを手で摩っている。痛さで起きるかなと思って黙って様子を見ていると、眠ったままテーブルを遠ざけようと手でテーブルの脚を押し始めた。
いくらなんでもその重たいテーブルはそんな力じゃ動かないだろ。
心の中でツッコミながらその姿に思わず笑ってしまう。
だが次第にそんな行動を見ていることが白石のプライベートを覗き見しているような気がしてきて、自分がいけないことをしている感覚に陥ってきた。
誰も見ていないにも関わらず、慌てて視線を逸らす。
どうするべきか、ここは起こすべきなのか──と迷っていると、突然白石が勢いよく上半身を起こした。
ゴツン──。
上半身を起こした拍子に、今度は勢い余ってテーブルに頭をぶつける。
「いっ、痛ったーい」
今にも泣きそうな声が部屋に響き、相当痛かったのか両手でおでこを押さえている。
そりゃそうだろう。
この硬いテーブルにぶつけたんだ。
今のは絶対に痛いはずだ。
大丈夫か──と口を開こうとしたとき、白石が素早く俺の方を振り返った。そして俺と目が合った途端、くりんとした二重の目を思いっきりまん丸にして固まった。