隣人と仲良し

そして、尚ナオは靭ジンに注意されないことをいいことに落書きはエスカレートしていった。

「びっくりしたのは、トイレです」

と、トイレを見せてくれた。

カチャっとドアを開けた途端、広がる花畑。

「真っ白い壁でした。始めはね」

遠い過去を思い出す、遠い目をした靭ジン。

「今じゃ…見ての通り花の世界ですよ。
 ハッピーな気分になりますけど…
 人…特に女性には見られたくないです。
 なぜなら、恥ずかしいからです。
 俺がこんな趣味だと思われたくないからです」

これはちょっとやり過ぎであった。

間違えて蝶が舞ってしまったこともあるとか…ないとか。

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