隣人と仲良し
10、別れ2

「俺、就職決まったんだ」

バイト中の輪王 靭(りんのう じん)。

靭ジンは近くのファミリーレストランのキッチンをしていた。

今はバイトの休憩中です。

隣人は土岐 尚人(とき なおと)。

尚ナオに言えなくて悩んでいる靭ジンは大学生だ。

「やったじゃん」

仲間の香さん。

同じファミレスで働いていた香カオ。

香カオはホールスタッフをしていた。

靭ジンの就職決定に喜ぶ香カオ。

「でも…」

「元気ないよね、どうして?」

喜ばしい報告。

けれど元気のない靭ジン。

「…あの家を出て行くんだ」

「え?引越しするの?」

こくりとうなずく靭ジン。

「尚には?言ったの??」

首をふる。

「せっかく友だちになれたのにね。
 あいつ、変人だから。
 なかなか友だちできなくってさ。
 靭がいていつも楽しそうだった」

まるで弟のことを語る姉のように言う香カオ。

「そう言われてしまうと…。
 尚に直で言えなくなってしまう」


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