隣人と仲良し
11、別れ3
輪王 靭(りんのう じん)は就職を決めた大学生だ。
靭ジンは淋しそうに家の窓から外を見ていた。
どうして淋しそうなのかというと…。
大学4年間を暮らしたマンションを明日出て行くのだ。
あと、隣人の 土岐 尚人(とき なおと)とケンカ中というのもある。
尚ナオとは靭ジンが『俺、引越しするんだ』告白より逢っていません。
靭ジンはこの気まずいまま引越しできないので、毎日尚ナオの家に逢いに行っていた。
「尚~!?いないの?輪王だけど…。
今度メシ、一緒に行こうよ、なぁ?尚」
ドアに呼びかける。
尚ナオは家の中で靭ジンの言葉を聴いていた。
けど、逢うことはなかった。
「はぁ~じゃまたな」
ため息をつき、元気なしに帰って行く靭ジン。
尚ナオは絵を描いていた。
懸命に懸命に1つの絵を描いていた。
「ちょっと尚~!!靭、明日引越しするんだってよ。
逢わなくていいわけ?」
尚ナオの友人、香(かおり)が尚ナオの家にドガドガ上がり込む。
尚ナオは無視して、絵を描いていた。